「ヒゲの隊長に教えてあげてみた」 を文字起こしした

2015 , 7月 20 日 月曜日

ヒゲ 「あれ? あかりちゃん?」

あかり 「いや、知らないし、電車内で急に話しかけないで欲しいんだけど。そもそも、この電車内ってシュチュエーションは何? おっさんが女の子に教えてやるというセクシズム満載の設定もかなりあり得ないけど。まあ、ナイスタイミングと言えばナイスタイミングかもね」

ヒゲ 「何? ナイスタイミングって」

あかり 「どっかの与党が訳のわからない法案を強行採決しようとしているわけよ。知ってた?」

ヒゲ 「そりゃぁ、大変だ」

あかり 「じゃあ、ズバリ言うけど、今回の安保法制、憲法違反だよね」

ヒゲ 「そりゃぁ、大変だ」

あかり 「超大変だよ。この時代に立憲主義の否定なんて。どこの独裁国家って感じ。ありえない。恥ずかしすぎて国際社会に顔向けできないんだけど」

ヒゲ 「そんなことない。でも、本気で心配なんだね。大事な問題だよね。政治をあずかる私たちも真剣に考えているんだ」

あかり 「真剣に考えているわりに、真剣に国民に説明する気はなさそうだけどね。国民の8割が説明不足、6割が反対って言ってるのに、理解を得られなくても決めるって首相も高村さんも言ってたよね。戦争法案って批判されたら名前だけ変えてみせたり、まったく、詐欺師かよって話だよ」

ヒゲ 「平和安全法制のことだね。日本国民みんなの命と平和な暮らしを守る、そのための法律の整備だよ」

あかり 「だったら国民に面と向かって説明して、改憲したいならしたいで、堂々と筋通せよ。 でっ?」

ヒゲ 「あかりちゃんも知ってる通り、最近の日本を取り巻く情勢は、残念ながら決して安全とは言えなくなっているよね」

あかり 「そもそも、それも、いつといつを比べて言ってんのって話なんだけど」

ヒゲ 「実際に日本にミサイルを向けている国があるの知ってる?」

あかり 「中国って言いたいんでしょ。 はっきり言えよ。しかもなんか最近ミサイル向けられたみたいな言い方してるけど、ミサイルの照準が向いているのは冷戦期から変わってないんだけど。なんのために危機感あおってるの?」

ヒゲ 「もし、現実にミサイルを撃ってきたらどうする?」

あかり 「現実にミサイル撃ってきたら個別的自衛権で対応できるでしょ。あんたたちが無理やり押し通そうとしてる集団的自衛権の話は関係ないよね。それにミサイルを撃たせないようにすることが政治なんじゃないの? ちょっとあおられただけで大騒ぎするなんて、プライドだけ高くてキレやすいボンボンの発想だよね」

ヒゲ 「そりゃぁ、大変だ」

あかり 「くそ大変だよ」

ヒゲ 「ほかにも尖閣諸島でのトラブルのことも知ってるでしょ? 日本の領土領空を守るために、自衛隊の飛行機が緊急発進した回数は、何と、十年前の7倍になっているんだ」

あかり 「はい、出た。10年前の7倍論ね。そもそも冷戦期にはそれ以上の発進回数があったのに、あえて最低の回数だった10年前と比べる理由は? それどころか、安倍政権になってから異常にスクランブルが増えて水増し疑惑とかもあるんだけど。まあ、それはいいわ。それに、見てよ、これ。船の形。軍艦じゃないよね。 もしこの船に自衛隊が攻撃してみなよ。国際法上先制攻撃ってことで相手に正当防衛する権利が与えられるってことになるんだよ。ミサイル向けられているからこそ慎重にカード切るべきときじゃん。 何でこういうところだけ無駄にカッコつけようとするわけ? そんなに、喧嘩も強い僕でいたい?」

ヒゲ 「北朝鮮も核実験を繰り返しているし、最近はテロやサイバー攻撃も本当に深刻」

あかり 「サイバー攻撃とか言ってる暇あったら、まずは年金の情報流出の件なんとかしてくんない? つーか、テロって戦争に参加するから狙われるんだけど。あんたたちは戦争に参加できるようにしたいんだよね? 自分言ってることが矛盾してるのわかってる?」

ヒゲ 「私達日本人も、いろいろな脅威にさらされているんだ」

あかり 「狂った政権が一番の脅威だってのは、私もびっくりだけど」

ヒゲ 「そこで問題なのが、今ある法律ではね、いくつかスキマがあって、万が一の事態に対応できないということなんだ」

あかり 「その前に政府の答弁のスキマ、何とかしてくんないかなあ」

ヒゲ 「具体的には戦争が起きた国から日本人を避難させようとしてアメリカの船が運んでくれていても、その船を守ることができないんだ」

あかり 「もう何度も言ってるけどさ、前提がおかしい。まず、軍艦は狙われやすいから、民間人は載せるべきじゃない。さらに言えば、米軍は邦人を輸送するような事態は想定してない。あり得ない設定持ち出して、無理やり丸め込もうとしているのなら、せめて、もうちょいうまい設定持って来いよ」

ヒゲ 「あと、日本に向けて発射されたミサイルを、同盟国のアメリカの戦艦が撃ち落そうとする。そのとき、その戦艦が攻撃されても何にも手助けができないんだ」

あかり 「いや、だからさ。日本が狙われているんだったら個別的自衛権じゃん?この、かなり無理ある設定で集団的自衛権を説明しようとしてんの。 おかしくない? 」

ヒゲ 「おかしいよね 」

あかり 「あんたの言ってることがね」

ヒゲ 「日本人の安全も守るため、いろいろな法律を点検してスキマを防ぐこと。そして、協力し合って日本を守ることが大事」

あかり 「そうね。それ自体否定しないよ」

ヒゲ 「そうすることで抑止力が更に高まり戦争を未然に防ぐ、それが平和安全法制の目的なんだ」

あかり 「直前までいいこと言ってるのにね。なぜそのための安保法制って、説明には全くなってないのがマジ怖い。むしろつけいるスキマを与えるだけになるだろうね」

ヒゲ 「抑止力が高まれば、戦争が起きにくくなる」

あかり 「抑止力って言葉ほんと好きだよね。対テロ戦争にそんな抑止力なんて効かないし、アメリカ見てみなよ。日本は今まで戦争しない国としてさまざまな平和貢献をしてきた。特に紛争地域、貧困地域における民間レベルの活動は、本当に大きな信頼を得てる。それこそが一番の抑止力でしょ? なのにそんなことも無視して無駄なマッチョイズムを政治に持ち込むわ、そのために憲法違反まで侵して突っ走っちゃうわ、あんたのとこのボスに一言伝えてあげてよ、狂ってますよって。簡単でしょ」

ヒゲ 「あはっ w。そんなに簡単じゃないんだ」

あかり 「でしょうね」

ヒゲ 「でも、何重にも備えることが大事」

あかり 「増えてんじゃねえよ。キモイな」

ヒゲ 「アメリカとの同盟関係も強化するし。それだけでなく、アジアの国々や・・・」

あかり 「今、アジアって言ったよね?あなたのボスは中国や韓国に対するヘイト記事で一杯の『保守速報』が大好きみたいだけど、大丈夫?」

ヒゲ 「そりゃぁ、大変だ」

あかり 「うるさいよ」

ヒゲ 「世界中の友好国と信頼関係を深める努力も、一層大事になってくるよね。 具体的には、積極的に国際社会の責任を果たすこと。どんな国も、今や一国だけでは、安全を守ることはできないよね。だから、日本自身が国際社会の平和と繁栄に積極的に協力して、信頼されるメンバーになることが必要なんだ」

あかり 「私もそう思うよ。でも、あなた達は、そのために戦争に参加しなければならないと思い込んでる。アメリカの戦争を全て肯定するの? テロがこんなにも深刻化している理由について、少しは考えたことある?」

ヒゲ 「人道的な国際貢献を増やして、更に汗を流していくことが重要なんだよね」

あかり 「既にめちゃくちゃ汗をかいてる現地の日本人NGOや医師たちが、この改悪法案に猛反対してるよ。戦争に参加できる国になった時点で、海外にいる彼らが真っ先に攻撃対象にされる可能性があるんだよ。それで、何が人道支援だよ。 マジ、いい加減にしてよ」

ヒゲ 「ついつい、みんな他人事みたいになっちゃうけど、政治家や自衛隊だけの話じゃないんだ。みんなで関心を持って、正しく理解することが日本にとって一番大事だね」

あかり 「正しく理解することね? まずは、あんたのボスたちに憲法を正しく理解することをおすすめするわ」

あかり 「最後に一つ。徴兵制に関して。憲法を軽んじて解釈改憲しようとしているくせに、なぜか徴兵制に関してだけは憲法で禁じられているからと言って絶対にしないと言い張ってる」

ヒゲ 「そんなこと・・・」

あかり 「あなたたちの狙っているのは経済的徴兵制だから。日本はいま貧困大国になろうとしてる。大学に通いたくてもお金のない18歳の若者に、他の仕事とは比べものにならない厚遇で自衛隊入隊の手紙が来る。そうやって自発的に軍隊に押し込むんだよ。アメリカがそうしてるみたいに」

ヒゲ 「そんなことないから」

あかり 「本音をいえば徴兵もしたいんじゃないの? そういうマッチョなの大好きだもんね。訓練受けさせて思想教育して、美しい日本人が作れるとでも思ってるんでしょ。選挙権を18歳にまで引き下げたのもその関係だもんね」

ヒゲ 「絶対にありえない、だって、だって、だって・・・」

あかり 「ほらね、その先言えないでしょ。 図星だもんね。あんたたちが間抜けなことばっか言っているあいだに国会前は法案に反対する人たちで溢れかえるよ。もし来てくれたら『主権在民』っていう中学で習う単語について教えてあげるね。待ってますよ、佐藤正久議員」

ヒゲ 「あはっ w、お手柔らかに」

あかり 「See you 〜」

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