民主主義は100年で終わりか
2016 , 6月 15 日 水曜日 < 承前>
ベネズエラはチャベス後のマズーロが最貧国まっしぐら無政策で、国民はコロンビアとの密輸で生きながらえている。リオ五輪直前のブラジルは、ルセフ大統領が汚職疑惑のルーラ前大統領ともども引きずりおろされた。だが新内閣も汚職疑惑である。
トルコのエルドランは難民を武器にEUを脅しながら、米軍がサポートするIRAQとSyriaのペシュメルガを爆撃する。さらに国会議員の不逮捕特権を剥奪し、やりなおし選挙でも議席を獲得した、クルド人の国民民主主義党(HDP)議員の逮捕を可能にした。これで与党の公正発展党(AKP)を邪魔をする者がいなくなる。だが、ロシアのsu24撃墜でロシアから観光客がほとんど来なくなった。バカンスシーズンにオープンできないホテルが出るほどになり、経済政策に不満が蓄積されはじめている。英国は、6月23日のEU離脱残留の国民投票が刻々とちかづく。変化を嫌う証券市場は一斉に売りに入り、ポンドも全面安に向かっている。シティと大陸との間に壁がそびえることを懸念し、金融の連中が、金を移動し始めているのだ。
WWW1から百年を越え、WWW2から四半世紀に近づくが、火薬庫バルカンは相変わらず火薬庫であるし、砂漠に直線の国境線を引いたサイクス=ピコ協定締結から百年の中東も、混沌などというレベルをはるかに凌駕している。Putinが2年我慢しろと激を飛ばしたロシアは、経済制裁と原油安の下で、喘ぎながらも経済的均衡を手に入れつつあり、さらには技術力を向上させ、国力を蓄え始めている。第2の毛沢東をめざす習近平は、周辺国との軋轢などなんのその、世界に放った中華人脈のスリーパーを目覚めさせ、王朝の復権とばかりに覇権主義を進めている。これによりインド、オーストラリアを含む東アジアは一斉に軍備拡張に向かい、欧米ロシアの軍需産業はホクホク顔なのである。
政治が政治家のエゴで動き、国民の意識との乖離が甚だしい。その不満を利用するポピュリズム政党が躍進する。
悪魔が地球を鷲掴みにし、したたる血をすすり始めているのだ。