マニフェスト原理主義者

2011 , 2月 26 日 土曜日

考え違いも甚だしい

そもそもマニフェストってなんだろう。
民主党では「国民との約束」と言っているが、本来は宣言と綱領いうもので政権公約である。明確な定義があるわけではなく、選挙公約とか政治的な基本方針といわれるもので法的拘束力があるものではない。

自民党も公明党も社民党その他も「マニフェストを守れ」の大合唱だが、民主党がマニフェストうんぬんを言いだすまで、どの政党もマニフェストなんて気にも止めていなかった。
長いこと政権をとってきた自民党の「公約」など、守られないものの代名詞になるほど公約は反故にされっぱなしの代物だったのだ。

その連中が、民主党に向かって「民主党はマニフェストをないがしろにするな。国民との約束を反故にするのか」などと言うのは、ちゃんちゃらおかしくて臍でお茶が沸くのである。
こいつらのやってきたことを国民が忘れていると思ってているらしい。

自民党は参院選のマニフェストで「国会議員の定数を大幅に削減する」といったが、具体的に進んでいる削減数を答えてもらいたい。公明党は「全国をカバーするドクターヘリ を 50機配備します」とマニフェストに書いた。 今時点で何機配備したか答えてもらいたい。社民党はマニフェストの「非核3原則の法制化」について、具体的にどのくらい進めたのか答えてもらいたい。

他人のせいにする言い訳は御法度だ。自分たちも民主党のマニフェストの実現を妨げているのだ。他党のせいにする事なしに自党のマニフェストの進捗状況を明らかにしなければならない。

自分たちのマニフェストについての進捗報告、反省なしに、他党のマニフェストへの対応を批判するのは無責任きわまりないだろうに。

ミスリードするマスコミの洗脳

国民もなめられたもんだが、CMを売るための視聴率を稼ぐためにならなんでもするTV局と飯を食うためにそれに群がるおべっか評論家は、政治ネタというとバカの一つ覚えの政府揶揄の一辺倒だからマインドコントロールの波状攻撃となり、頭がIT化してコピペ脳になりつつある一部の国民はミスリードされっぱなしになっている。

マスコミは「国民は…」としたり顔をして国民の代弁者を装うが、それこそ「国民は」民主党のマニフェストが実現可能だとはこれっぽっちも信じて投票をしたわけではないのだ。
日本の赤字は昨日今日にできた借金ではないのだ。自民党の大盤振る舞いのバラまきで40年間たまりに貯まってきた累積赤字なのである。
自民党が日本をここまでダメにしてにっちもさっちもいかなくなり、「このまま自民党に任せていたら日本はだめになる」と思ったから、一昨年の衆院選挙で民主党に投票したのである。

与党思考のない民主党

にわかマニフェスト原理主義者にあわせて「マニフェストの目標値を達成せねば」と後生大事にマニフェスト原理主義につきあう民主党も情けない。
そもそも本来のマニフェストは「我が党は基本的に、これこれこういうことをめざす党である」などと政党の基本的な方針を示すもので、戦略の骨子にあたる部分を書くものである。戦術レベルの数値目標を入れるべきものではない。野党時代の民主党が「どうせ政権は取れないから口当たりのいい事を全部入れておこう」と作った勘違いのマニフェストである。

高速道路をタダにするとか、戸別補償をするだとか、子供手当として金をばらまくなど、政府の財政状況からすれば無理がある事など中学生でもわかる。これらがどんでもなく浮いた公約であることを承知した上で、「野党だから実現できっこない公約を勝手にいってるけど、政権をとったら現実に気づくだろう」と大人の判断をしたうえで投票したのだ。あんな公約をまともに進めるなど問題外だからである。

経営計画に縛られて経営をする会社などありえない。経営計画は会社を反映させるためにあるのだ。3ヶ月ごとに経営計画を見直すことなどは、当たり前すぎて話題にもならない。中長期計画だって状況に応じて立て直さなければ会社の経営はできないのである。
税収が9兆円も減っているのに、2年前の数値目標を達成しようなど、会社だったら倒産の危機なのだ。
マニフェスト原理主義者に日本を任せたら日本は倒産するのである。

さらに続くのは当然だろう

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