日本人ならイモを食え ぇ?

2008 , 3月 20 日 木曜日

東北大(東北大学法学部 経済産業行政論演習 食料安全保障ワークショップ)の自給メニュー「日本人ならイモを食え?」が注目されてるんだって。

「日本SHOCK![食]フェア」のメニューはこんな。

ごはん(茶碗1杯相当)

蒸かし芋1皿 (ジャガイモ2個)

ぬか漬け1皿

焼き芋2本 (サツマイモ2本)

蒸かし芋1個

果物(りんご4/1個)

ごはん(茶碗1杯相当)

焼き芋1本 (サツマイモ1本)

焼き魚1切

それから、味噌汁・うどん(2日に1杯)、肉(9日に100g)なども加える。

「日本SHOCK![食]フェア」にもちゃんと書いてあるけど、明日、食料の輸入が止まれば、冷蔵庫の中の備蓄….整理かな….で1週間は食いつなぐとして、日本で生産できる食料だけで考えると1日996キロカロリーしか摂取できないんだよ。2000キロカロリーだって食べ物がなくてヒモジイ思いをした(らしい)昭和20年代後半の食料難のころのメニューだっていうじゃない。

1ヶ月後にはパニックだよ。これじゃ。

その資料の中の「中国の農産物貿易動向」(中国貿易部)によると

   農産物輸出額 農産物輸入額

2001年 160.7億ドル 118.3億ドル

2002年 181.5億ドル 124.57億ドル

2003年 214.3億ドル 189.37億ドル

2004年 233.9億ドル 280.37億ドル

2005年 271.8億ドル 286.57億ドル

えー、2004年から中国は輸入の方が多いじゃないの。

もちろんこれは額だから「お金」ベースで、輸入のものが高くて輸出のものが安いっていることもあるだろうし、輸入「量」の方が多いってことにはならないかも。

でもあるんだよねぇ、穀物の輸入量が輸出より多くなっちゃったときが。それも最近のこと。

中国は食料を、食料安全保障と戦略商品としているらしい。だから、生産性を上げるタネや土地をたくさん耕すための農機具や農業機械のために、日本よりもっと沢山の食料関係の補助金を出しているんだって。

でも、中国料理に欠かせない食用油を作るための大豆は10年前から輸入。生産高第2位のトウモロコシも年々輸出が減っていて、2003年あたりには輸出できなくなるレベルに近づいて、2007年には930万トンのトウモロコシを輸入しなきゃっていうニュースが流れた。中国は「そんなことウソっ」っていってるけど、そういう話がだんだん多くなってるとこを見るとあながちウソとも言えなくなってる。

去年の12月30日に、中国財政省が「2008年1月1日から12月31日までの1年間、小麦、トウモロコシ、コメ、大豆など穀物と穀物製品の8種類57品目に5~25%の輸出関税を課す」って発表したんだよ。税率は麦類20%、麦類製粉25%、コメ、トウモロコシ、イネモミ、大豆は5%とからしい。売りたくないものは関税高いんだよね。

輸出するとき税金が上乗せされれば値段が高くなるってことで、「それでも買いたいなら売るけどホントは売りたくないんだよね」っていうのが輸出関税なのだ。

なんでかというと、穀物を国内向けにしないと値段が下がらないからなのだ。1年で18.2%も値段が上がってまだ上がりそうなのだ。どうして値段が上がってるかというともちろん穀物が少ないからなのね。重慶市じゃスーパーの安売り食用油に殺到した客が圧死するなんて事件が起きてる。

少し前は「小麦やコメはどんどん輸出してね」といって、輸出したらお金あげるってやってた中国の財政省は、1ヶ月ほど前の11月20日にその輸出還付税をやめにしたのだ。そして年末に「輸出するなら税金かけるぞ」になっちゃった。

輸出なんかしてたらどんどん食料が足りなくなって値段が上がっちゃう。食い物の恨みはオソロシイから、国の中のことだけ考えないとマズイゾの状況になってるのだ。1ヶ月でコロコロ変えなきゃいけないほどセッパつまっているのだ。

「日本にでもどこにでも、大切な食料は中国から持ち出さないようにしろ」っていう状況になってるから、毒入り餃子で日本が騒いで、「中国からの食べ物はアブナイから買わないようにしよう!」なんて言っても言わなくても、だんだん中国は食料を輸出する余裕がなくなっているのだ。

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