人が増えても食べ物が増えない
2008 , 3月 21 日 金曜日牛肉も好きになってる中国の人
いままで中国とで肉といえば豚肉で、値上がりしてエライ騒ぎになってたけど、最近は食べるのは豚肉だけじゃないみたい。中国ではマクドナルドがこんなとこにまでというと所にも増えてるんだって。
西側の食文化がどんどん広がっているから、肉や乳製品が売れてる。牛肉を1kgのためにトウモロコシが11kgも必要だから、牛には飼料用の穀物をたくさん食べさせなけりゃならないのだ。
トウモロコシを牛が食べちゃえば人間の分が減るよね。人間が食べちゃえば牛は食べられないし。足りなくなれば、トウモロコシを作る畑を増やすか輸入するしかないわけだ。でもトウモロコシは最近バイオエタノールの原料にも使われているので、アメリカあたりが札ビラきってトウモロコシ買っちゃえば中国には届かなくなっちゃう。
日本でも食料自給率が下がったのは、肉を食べる人が増えて飼料向けの穀物の輸入が急増したからなのだ。中国も同じことになりはじめてる。
麺にも餃子の皮にもパンにも使われる小麦も同じだ。こっちはオーストラリアの大不作っていうオマケがついてて、日本でも讃岐うどんが真っ青なのだ。しかもオーストラリアじゃ小麦が取れなくて農家が倒産しちゃったり経営できなくて、農業やめちゃう人がどんどん出てる。つまり気候がよくなって雨降っても小麦はしばらく増産できないのだ。
パスタもグラタンもフライもテンプラもラーメンもお好み焼きも菓子パンもケーキもピーンチ、大ピーンチだ。
中国の食文化はどんどん変わっていて、「中国人は冷たい食事なんて食べないよ。そんなの売れるもんか」ていわれてたおにぎりをコンビニで買うようになった。お弁当も必ず暖めていた「中国三千年の歴史」はどうしたんだろう。
その調子で変わっていくと、グラタンだってシチューだってボルシチだって食べるようになって、ちょっとシャレた食材が出てくると人気になって、そういうのははじめは珍しいから値段が高いだろうし、そうするとみんなが今までのトウモロコシや小麦をやめてシャレた食材つくって儲けようとするよね。そうするとますます主食が減っちゃうじゃないの。
昔は中国も大豆を輸出してた
例えば大豆。昔は中国も大豆を輸出する国だった。当時はアメリカと中国が2大大豆輸出国だったのだ。だけど、中国は1995年から大豆を輸入する国になっちゃった。代わりに輸出を始めたのがブラジルとアルゼンチンで、2つの国で50%くらいを生産しているんだって。アメリカとブラジルとアルゼンチンとパラグアイで世界の97%なのだ。
ブラジルはアメリカ相手に穀物を輸出していたけど、いまじゃアメリカの次ぎに中国に輸出してるのだ。中国は、大豆と大豆油を合わせて15億ドルを軽く超える量をブラジルから買っているのだ。隣のアルゼンチンからも大豆と大豆油を輸入している。
中国は黒龍江省が大豆の生産地だけど、今じゃ海外の大豆に比べて10%から30%も生産コストが高いらしい。だから「安い大豆がぎょうさんありまっせ」って揉み手しながら、ブラジルとアルゼンチンの業者が中国に大豆を売り込んでいるのだ。中国と南米は地球の反対側だからちょうど収穫期が逆になるのも都合がいい。
ブラジル商人とアルゼンチン商人とは、なんと中国人の胃袋をもっと大きくするために、南米風の料理まで中国で宣伝しているのだ。ワインやコーヒー、魚までせっせと売り込んでる。そうして、どんどん中国が買えば、市場の商品が少なくなるのだ。
中国は2005年度に大豆を4,450万トン食べたのだ。生産できるのが1,640万トンだから生産量の2倍くらいが足りなかった。その分の2,830万トンの大豆を輸入する国になったのだ。日本の7倍ね。世界の商い量は22,000万トンくらいだから2割くらいを中国人が食べてるってことになる。一人当たりが特にたくさん食べる訳じゃないよね。世界の5人に1人は中国人だから、それ相応ってことになる。もちろん消費量は年々増えてる。でも大豆の生産量はそんなに増えないのだ。(食料供給予測/農水省)
小麦とトウモロコシはどうだろう。…