売ってくれなきゃ買えないのだ

2008 , 4月 14 日 月曜日

誰だって食べなきゃ死んじゃうから、自分の食べる分を無くしてまで他人に食料を売るなんてのはありえない。

中国は少し前まで穀物の輸出を奨励してたわけだけど、2007年の11月に輸出還付税をやめにした。それから1ヶ月後の12月30日に「2008年1月1日から12月31日までの1年間、麦類20、麦類製粉25%、コメ、トウモロコシ、イネモミ、大豆は5%など穀物と穀物製品の8種類57品目に5~25%の輸出関税を課す」って中国財政省が発表した。

つまりあっというまに中国は食料の輸出を制限しはじめたのだ。

この輸出制限は北朝鮮に大きな影響を与えている。

そうでなくても北朝鮮は、2007年の水害で、前の年より100万トン少ない約300万トンしか穀物が穫れなかったのだ。

トウモロコシが33%、コメも25%も収穫量が減った。去年の秋から今年の秋の収穫までに166万トンが足りなくなると国連食糧農業機関(FAO)が予測している。北朝鮮では小麦粉やコメの価格が去年の2倍になっているらしい。

そこに中国の輸出規制のダメ押しなのだ。

この輸出関税で北朝鮮が買う穀物の値段が上がったから、北朝鮮の輸入が大きく減っている。北朝鮮内では足りない穀物がさらに不足し、いままで国内で統一されていた穀物の価格が維持されなくなり、地域によって米や小麦の価格に差が出る事態が現れはじめている。

最近はロシアやアルゼンチンなども、自国消費の確保、価格安定のために小麦やトウモロコシを輸出規制をはじめている。

ロシアは2007年11月から大麦に30%、小麦に10%の輸出税をつけて輸出を規制した。小麦とライ麦を混ぜたものの輸出税は40%なのだ。100円の麦を輸出しようとすると、40円の税金をかけられて、買う側は140円払わないと買えないのだ。(2008年4月まで)

ウクライナは、2007年は不作だったので小麦、トウモロコシ、大麦、ライ麦の輸出を制限して、国内消費にまわすことにした。アルゼンチンは、トウモロコシ、小麦、小麦粉の輸出承認の登録を受けつけなくしたから、輸出しようと思っても許可が取れないのだ。牛肉も輸出制限をしている。インドも2007年10月に、米、小麦、乳製品、タマネギの輸出を禁止した。

もちろんアメリカも、国内消費に差し障りがでるときは輸出を制限できるという「輸出管理法」をしっかり作ってあるのだ。

しかも、インドや中国で人口が増えて所得が増えて、食肉の需要が上がっている。増えた家畜がその分の小麦を食べるから、安い小麦は人間が食べる分に回らないらしい。

インドや中国は輸出が増えてるから外国から食料を買うお金はたんまりある。

穀物を売る人も商人だから、「うちはさらに○○ドル払うぞ!」っていわれれば高く買ってくれる方に売っちゃうのだ。

だから「金だして買えばいいんだ」なんてオメデタイこと言ってると、カネを握ったまま飢え死にしちゃうかもしれないのだ。

肉は食べられないぞ

これは、日本の食事と自給率の関係なのだ。(平成18年度 食料自給率レポートより)

  自給率とカロリー
日本食 ごはん

みそ汁

焼き海苔

納豆

卵焼き

天丼

みそ汁

漬け物

ごはん

すまし汁

あじの塩焼き

ジャガイモの炒め煮

青菜のごま和え

2,144kcal

自給率63%

洋食 食パン

紅茶

オムレツ

サラダ

スパゲティナポリタン

クリームシチュー

ブロッコリーのサラダ

ステーキ

ガーリックライス

サラダ菜のサラダ

2,196kcal

自給率28%

中華 中華粥

野菜炒め

ラーメン

チャーハン

餃子

ご飯

豆腐入りかき玉スープ

エビの中華風衣揚げ

かに玉

2,193kcal

自給率33%

日本食風の食べ物なら63%は日本産でまかなえるってことだ。洋食なら自給率は28%しかない。

それなら、もっと国内で食べ物作ればいいと思うけど、作る畑がないのね。

nouchi.gif

日本じゃ年々農地は減っていて、小麦作ってる人たちもやめちゃってる。その人たちの耕作放棄地が増えているのだ。

「パンを食べなきゃいいんだ。日本は米なら沢山ある。米が余っているうちは大丈夫だ」と思うのは大間違いなのだ。

Comments are closed.