鳩山首相辞めちゃった
2010 , 6月 03 日 木曜日6月2日、鳩山首相が辞めてしまった。
社民党がすねちゃったからとか、普天間基地の問題が解決できなかったからとか、自民慣れから脱却できないマスコミが言いたい放題騒ぎまくったからだとか、いろいろいわれている。
でもどうなんだろう。
大勝した民主党が、「この得票ならなんとかなるんじゃないかな」と考えて(考え違いだと思うけど)、「オイラたちなら沖縄もカイケツできる!」と裏付けもなく大風呂敷をおっかぶせて、はしゃいだわけだが、国をあずかる政(まつりごと)を行なう立場にしては、確かに軽かった。
沖縄の基地問題は、終戦以来の問題だ。いままで自民党が、ずっとこそこそと既成事実化しようとしてたんだが、これだけの年月で定着してしまったものを、半年で変えられるわけがないのだ。
手法がまずかったこともあるが、基地の県外移転には、大阪以外は他の都道府県も誰も後ろを向きっぱなしだった。四面楚歌どころか天地も含めて味方はおらず、まさに鳩山さんは孤軍奮闘だった。…空回りって話もあるけど。
鳩山さんも5月になって「海兵隊の抑止力は必要だった」と国際関係に弱いとこをバラしたんだけど。マニフェスト書いたのは民主党だろう。馬鹿げたマニフェストだというのは周知の事実で、高校生でも笑っちゃうまさに野党ボケのしろものだったが、「民主党のマニフェスト」なんだから、党員全員の罪だろうに。
でも沢山の国民が民主党に投票した。3人も首相をたらい回しした自民党とは根本が違うのだ。
ともあれ、戦後初めて沖縄問題に立ち向かおうとしたのが鳩山さんだ。そりゃ戦術がまずかったのは否めないが、調子に乗りすぎたにしろ、無知だったにしろ、一歩前に進もうとしたのは確かなのだ。
例によって話題アサリのマスコミとそこらで巣食うコメンテーターも、自分の懐に入る目先の金目当てに行動していたばかりだった。
自分の過去を反省もせず揚げ足取りの自民党は別としても、社民党も、みんなの党もみんなまとめて国益とか沖縄県民のこととか考えているとは全然言えないのだ。沖縄県民だって熟慮してたとは言いがたい。民主党に投票した国民だって、投票して選んだ政権だということを忘れている体たらくだ。
変革期にアンカリング効果から脱しきれない、いわゆる玄人の限界をどうみるか。
みんな「鳩山さんが沖縄問題に初めて手をつけた」という重要性を考えもせず、クレクレタコだと、パープーギャルになってしまっていたのだ。
もうこうなれば、どこが地滑り的な大勝で政権を取ったとしても、「沖縄問題はアンタッチャブル」な問題として、対処しようとする人間はあらわれっこない。
つまりみんなで沖縄の基地問題を潰してしまったのだ。
これから先、だれも沖縄問題なんか扱おうとするわけがない。