東北関東大震災でチェーンメールが飛び交っている。Twitterの【拡散希望】によるデマも多い。
その一つの「電気の備蓄が底をつくから中部電力や関西電力からも送電を行うために..」の事例を集めてみた。
衆知のことだが、電力会社レベルでの電気の備蓄などはできないし、国内の東西の電力会社の送電も簡単ではない。
今回停止した原発は東京電力の福島第1原発1、2、3号機、福島第2原発の1、2、3、4号機、東北電力の女川原発1、2、3号機、日本原子力発電東海第2原発の1基の11基だ。さらに東扇島、鹿島、広野、常陸那珂、大井など火力発電所5箇所の9基(715万kW)、水力発電所22カ所が停止し、発電能力が約3000万kWまで落ちた。
東扇島200万KW、鹿島400万kWは再稼働準備中だが、福島第1第2(計910万KW)の復旧は無理。廃炉寸前で現在休止中の火力発電所3カ所、10基約280万KWの再稼働が順調にできても電力供給力は最大4200万KW程度。夏場の需要5500万~6000万KWには届かない。冬の需要5000万kWにも不足する。
[※追加注:広野火力発電所(380万kW)と、常陸那珂火力発電所(100万kW)は津波で損傷。短期間での復旧は難しい。]
融通してもらえる電力は中部電力経由の100万KWのみ。東北電力は女川原発217万KWのほか3発電所4基が停止。東通原発1号機(110万kW)は定期検査で停止中だった。北海道電力の60KWは東北電力への融通となる。
日本の電力会社は2つの周波数に分かれており、異なる周波数の電力はそのまま送電することはできない。 …さらに続く »